ナイトは、生粋の自由主義者で、政府の干渉や規制を嫌った。だが、各人が何をしてもよいというような「能天気な楽天家」ではなく、人間の多様性や複雑性を認め、経済と倫理の相互作用にも注目した「複眼的な人間観察者」であった。
福岡正夫・慶応義塾大学名誉教授から聞いたところでは、教壇のナイトはケンブリッジ学派の開祖・アルフレッド・マーシャルの大著「経済学原理」を常に小脇に抱えていたという。やや意外に思われるかもしれないが、ナイトは抽象主義のワルラスよりも、現実主義のマーシャルのほうに親近感を覚えていたようだ。
例えば、ナイトの主著「リスク、不確実性および利潤」を見ると、ワルラスへの言及はわずか1回にすぎないが、マーシャルへの言及は10回にも上っている。
福岡正夫・慶応義塾大学名誉教授から聞いたところでは、教壇のナイトはケンブリッジ学派の開祖・アルフレッド・マーシャルの大著「経済学原理」を常に小脇に抱えていたという。やや意外に思われるかもしれないが、ナイトは抽象主義のワルラスよりも、現実主義のマーシャルのほうに親近感を覚えていたようだ。
例えば、ナイトの主著「リスク、不確実性および利潤」を見ると、ワルラスへの言及はわずか1回にすぎないが、マーシャルへの言及は10回にも上っている。